
製作させていただいた、フルオーダーバッグのご紹介です。
普段仕事に行くのに、大きめのバッグが欲しい。色は紺色で!
とご依頼していただいたのですが、これまで扱っていた革には希望されているような紺色はなく、新たにサンプル帳を仕入れてみてもなかなか見つからずにいました。
そこで、これまでにそんなに大きな革でやったことは無いものの、僕自身が染めた革なら
イメージに合う色味・素材感になるのでは。と提案したところご了承頂き、製作に取り掛かることになりました。
ファーストシューズや小物類などに比べてかなり大きな革を一度に染めていかなければならないため、染めるための道具なんかも何度か実験を重ね、染めた革がこちら
(革の繊維を払い落とさないまま写真を撮っていましたw)

通常はタンナー(革の鞣し工場)で染めたものを仕入れて使っているのですが、手染めの場合、染色方法の違いなどから、手仕事感のある革に仕上がります。
バッグになると、また表面の雰囲気も違って見えますね。

ただこの手染めの革の大変だったのはここからでした。
断面(コバ)には染色方法的に色が入っておらず、そのまま磨くだけでは印象が締まりません。見える部分のコバ全てを染色し、入念に色止めと磨き仕上げをしながらの作業は骨の折れる仕事でした。
こういった細かな作業の積み重ねが、仕上がった時の大きな違いと、完成した時の達成感につながりました。良いものができたかな、と思います。
ご注文いただいたG様。ありがとうございました。